本文

『行きつけの喫茶店で隣に座ったお客さん。

持っていたバッグから徐に出した「それ」は、
どう見ても僕の画集だった。

どこでもないような絵。誰でもないような絵。

僕のその絵はきっと、彼女の大切な場所に成り、
彼女の大切な存在に成ったんだと。

その時はもう嬉しくてたまらなかったよ。

けれど誰のためでもなく、何よりも自分自身のために
絵を描いていた僕は、彼女に話しかけるようなことはしなかった。

自分のためにやっていたことが、
結果として誰かの心の一部になれていたことに、
ただただ、言葉が出なかったのさ。』


  • 使用画材:iPad、Procreate
  • 製作時間:38時間
  • サイズ:1030mm×728mm
  • 作品ジャンル:デジタル、生き物、SPRANK
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